治療の選択について

(音美 談)
  私は、よくは覚えていないのですが、先生の期待した程の検査結果は取れなかったと思います。当時、手術した右脚の治療を続けながら左脚の手術の準備もしていた時だったので、病院に行く事が多く、診察のたびに先生とどうしようかと話をしました。先生のなかでは100%と手根管症候群だと言う確信があったみたいです。私も、検査の結果はともかく手術をして治る可能性があるのなら手術をしてほしいと、お願いしました。
 手根管症候群の手術をどうするかハッキリしないまま、左脚の手術の日程が決まり入院しました。そこで先生に「右手の手根管の手術はどうする」と言われ、私は「痺れが取れる可能性があるのなら是非手術して下さい」とお願いし、左脚の手術の時に一緒に手術をする事になりました。
 手術は、骨のなかを通っている神経が手首のところから指先に向けて走っていますが、この神経が手首の所で幕(異物)がはり圧迫されてしまっている為に指先に神経が届きにくい為に痺れがおきるので、この圧迫している幕を取り除く手術です。手術の方法は2通りあるそうです。先生より「傷が小さくてすむように内視鏡で手術をしようと思っているけれど、もしかしたら手首から手のひらにかけて開くようになるかもしれないから承知しておいてね」と言われました。私は傷が大きかろうと小さかろうと痺れが取れればなんでもいいと思っていました。結果的には内視鏡で手術が出来ましたので手首から4cm位の所に1cm弱の傷が横に残っているだけです。
 私は脚の治療と一緒だったので、手根管症候群の治療については参考になる文があまり書けません。ピーコさんは色々な事を考えながら手術をしようと決心したと思うので教えてください。

(ピーコ 談)
 栢森先生の診察の結果、私の場合できるだけ早く手術をした方が良いとのことでした。このままでは指先に神経が届かなくなり手に力が入らなくなると言われました。この検査の日、音美さんに帝京大病院に来てもらっていていろいろ体験談を聞かせてもらい、また相談に乗ってもらいとても助かりました。音美さんの「今だから言うけど術後すぐは失敗したかな?と思った。でもいつのまにか治っていた」と言う言葉が、治したい気持ちはあるものの不安な私の背中をぽんと押してくれたようで手術を受ける決心がついたのです。
 実際に手術を受けるとなると考えなくてはいけないことがありました。まず、どこで受けるか? これについては、3つの選択肢がありました。

  1. 新潟県立六日町病院
  2. 東京渋谷赤十字病院を紹介してもらう
  3. 関西地方の病院を紹介してもらう
  1. は栢森先生が一番信頼できる整形外科医がおり、入院期間は3日から1週間くらいで、術後の処置は自宅近くの病院で受ける、というもの。
  2. は過去に音美さんが手術を受けて成功した例がある。
  3. は栢森先生に紹介状を書いてもらい、そこで診察及び手術を受ける。2.と3.については入院期間などはそちらの医師の判断によるもので、この時点では判らない、というものでした。

 子供を預けているため何度も検査を受けるのも嫌だったし入院期間も短くて(術後の処置は自宅近くで受けられるので……)済むし、何よりも栢森先生が「成功率は100%」とおっしゃったので1.を選びました。新潟と言うのは私にはとても遠くに感じられたのですが、調べてみると東京から2時間ほどで行ける所で、自宅から離れると言う意味では東京も新潟も変わらないと思いました。他に、手術の日取りや術後しばらくは手が使いにくい為子供の世話をどうするか、など私一人の判断で答えられないこともありその日は手術を六日町病院で受けることだけを決めて帰宅しました。
 子供は私の実家で、術後は私も一緒に預かってくれることになりました。そこで阿蘇さん(いしずえ事務所旧職員)を通じて栢森先生に連絡を取ってもらい、私の希望する日を伝えるとすぐに手術の日取りが決まりました。栢森先生が手続きをしてくださったので私は指定された日に六日町病院に行くだけでした。

「いしずえ」第255号(1998年11月25日発行)掲載