昭和33年以降、大日本製薬株式会社他4社が催眠・鎮静剤として発売したサリドマイド剤により、サリドマイド胎芽病という手、耳、内臓などに先天性の障害を受けた子供達が多数出生しました。生まれながらにこの重荷を背負わされた被害者と家族は、昭和38年から国及び大日本製薬株式会社を被告とする損害賠償請求訴訟を提起し、国と大日本製薬株式会社に補償を求めた結果、昭和49年10月、被害者の救済と福祉を願う全国サリドマイド訴訟統一原告団と厚生大臣及び大日本製薬株式会社との間に和解が成立し、「確認書」が調印されました。そして、この「確認書」にもとづき、国及び大日本製薬株式会社は原告家族及び訴訟に加わらなかった被害者家族全員に損害賠償金を支払うとともに、各種の福祉政策をとることを約束しました。しかしながら、サリドマイド被害者及びその家族のかかえる問題は、日常生活上の問題、学校教育、医療と健康管理、就業、生活の安定等多岐にわたり、かつ被害者が成人した後にもかかわる長期間の問題であるため予測のできないものもあります。従って、これらの問題は被害者家族の個々の努力のみによって解決できるものは少なく、この解決と克服のためには、被害者家族全員が一体となって力を合わせるとともに、政府、地方公共団体、専門家の方々などから広く支援と協力を頂くことが不可欠であります。又、サリドマイド被害者の福祉の増進、医療給付の向上、社会的地位の向上は我が国の心身障害者全体の福祉の向上、改善と密接不可分であることも明らかであります。そこで、サリドマイド被害者及びその他の心身障害者の福祉及び社会的地位の向上を図り、ひいては、社会福祉の向上に資することを目的とし、サリドマイド被害者の健康管理、介護、教育、職業についての研究、福祉のための諸事業、及びこれらに関連する調査・研究・今後の薬害防止に資する活動などの事業を行うため、財団法人を設立しました。
昭和49年12月9日